2008年07月25日

『霧越邸殺人事件』読了

 おおざっぱな結論からすると…「凄く好き」とか「とっても面白かった」という作品ではありませんでした(私にとって)。いや、面白いことは面白かったんすけど、う〜ん、なんなんだろうなぁ、何かが足りなひ(笑)。私は『人形館の殺人』が好きな人なので(こう言えば読んだ方にはわかるかと)、綾辻氏の作品にはああいう「圧倒的な満腹感」を期待してしまうのですよね。方法論はどうあれ(笑)。そういう意味では、厚さのわりに得られる満足度が少ないかなぁ、と(あくまで私にとっては、ですが)。ただ総じて凄くきちっとした、よく出来たミステリではあると思います(多分、無難にまとまりすぎている作品より破天荒でもとんがってる作品が好きなんだな)。あ、そういえばわりと「こいつは死なないだろう」と思っていた人が死んだり、死ぬんじゃないかな的な人が生き残ったりみたいな、そういう意外性は楽しめました(これまた私の主観なのでみんながみんな私と同じような予想をするとは限りませんが…でも一般的にああいうタイプのキャラは死なないよなぁ…)。

 
 この作品では(ユングで言うところの)シンクロニシティが軽くポイントになっているわけですが、作中のこと以外でも、読んでいる私自身とのシンクロもちょこちょこあってびっくりなんかして(例えば「地震がどうこう」とかいう部分があるんですが、昨日大きい地震があったのを知ってびっくりとか、あとはいちいち書きませんがその他個人的に色々と)。

 ネタバレをなるべく回避しつつ謎の部分について。こういう「吹雪の山荘」ものに関して実は私には一つトリックのアイディアがあるんですが、それと全く同じではないものの微妙に似てるトリックが使われていて、「自分にそういう着想が元々ありながらそれとよく似たトリックが見破れない」というのが非常に腹立たしかったですね(苦笑)。それから、かなり長いこと引っ張っておいて最後に明かされる「名前に関する謎」なんですが…もうね、これに関しても正解の周辺をなぞっていると言うか、考え方はほぼパーフェクトに当たっていたのにもかかわらず正解に気がつけなかった、という…。もちろん全然ピンと来なかった、まるでお手上げだった謎(伏線)もたくさんありましたが、今回は全般的に「いい線いってんのに不覚にも気づけない」「正解の表面をなでて素通り」ということが非常に多かったですね。もっとこうバチーンと当たるか、完璧に予想を外されるかすると満足できるんですが、何か煮え切らない感じ。

 以下ちょっとネタバレ風












 歌(詩)の見立てに関しても、あ、もしかしたらこうなんじゃないかな、と思ったことがあって、しかもそれが微妙に当たっていたんですが、この当時の詩に関する知識が無いので読んでいてもイマイチ確信できず残念でした。

 あと小野さん…この表紙は軽くネタバレなのでは(汗)。まぁわかったからと言ってどうってことない部分ではあるのですが、完全に白紙の状態で読みたい人にはちょっと残念(微妙にわくわく感が削がれるかと)。

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 Amazonだと評判悪いな〜人形館(笑)。まぁ気持ちはわかりますが。
posted by SeireiK at 02:11| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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