2009年10月29日

第十回・THE HOUSE OF WAX

霧のたちこむ森の奥深く、 もう一つの神秘の世界(another mystic world)
少女をまた一人(another little girl)運んでいく老人
彼がどこへ行くのか誰も知らない
彼の苦悩の住処(den of woes)が何処なのか

邪悪の芸術、歓喜に満ちて技に磨きをかける(practicing)
新たな役者(a new entry)を彼の観賞用人間(his human menagerie)へと彫刻する

今夜も、また一人彼自身の歓喜のために裸にされる(naked)
彼女に明日はない(won't live another day)、展示されるただの人形


彼女の叫びを聞け、生きたまま彼女を蝋に漬け込んで
かの老人はまたも人形を(another doll)彼の倒錯した誇り(twisted pride)へと変える
さぁ、最後の仕上げだ(Now here comes the final layer)
神が彼女の祈りに耳を貸すことはない

永遠に続く遺産(never ending legacy)、彼に見られる、ただそれだけのためにそこにいる
彼の虚栄心を大切に保管し(Treasuring his vanity)、殺戮の宴に酔い痴れて(dreaming killing spree)

今夜更にまた一人、朝の光によって人形になる
美が損なわれていないことを確認し、蝋の館で凍らせて

真夜中、犠牲を捧げる(sacrificing)時
ア ク マ は笑い
神々(the deities)は眠り
蝋はゆるやかに蕩(とろ)け(The wax is slowly melting)
少女はすすり泣き
今や彼はお前に忍び寄る(stalking you)
お前はもう家に帰れない!

(繰り返し略)



<メモ>
another こういうanotherはホントに訳しづらい…。「こことは別の」とかって書くべきか。これ以降も another は多出。

yet ここの yet は「さらに、その上」かなぁ? 訳出せず。

Where is his den of woes 疑問文ではなく、前の文と繋がって「何処なのか、ということ(を誰も知らない)」だと思う。

practicing は「磨きをかける」としてみた

of glee 「喜びのスキル」では変なので、これは「of+名詞」=形容詞だと思う。

menagerie 見せ物用に集められた動物、風変わりな多種多様の人々

entry 「(舞台への)役者の登場」という意味があったので「役者」としたがちょっと違うかも。

Yet another one tonight 多分 tonight は挿入で、「another one naked」ってことかと。

immersing her in wax alive 
immerse〜inで「〜を漬ける、静める」。「漬け込まれている彼女」ではなくて、彼女(her)はあくまでimmerseの目的語であり、しかもimmerseは進行形なのでここの主体は第三者(老人)。よってこの文は「Listen to her scream」の her とは関係なく、次の文章にかかる(はずです、たぶん)。

Listen to 一応命令形で訳したけどちょっと変かも。

makes another doll his twisted pride
「make O(目的語)C(補語)」のカタチのはずなので忠実に訳すとこうなるはずだが、「makes another doll, (with) his twisted pride」のように何かが略されていると考えた方が自然かも。

Now here comes the final layer 「最後の層」では意味が通らないのでこう訳すしかないかな、という感じではあるが、final layer という語句からは蝋を何層も塗り重ねている雰囲気が出ていて非常にコワイ。更に言えば layer は次文の prayer と韻を踏んでいるのも見事。

there for 〜のためにそこにいる 

Yet another one tonight またしても yet と another。やっぱり「さらに」でいいみたい。

by morning light 「今夜」って言ってるのに何故「モーニングライト」…。英語で見るとカッコいいニュアンスなんだけど訳だけ見ると誤訳してるみたいでマヌケな感じだ…。

intact 傷がない、完全な、処女の 
「処女」という訳語を使いたかったが「美は処女」では意味不明なので分かりやすさを優先。

AKUMA will be laughing 
日本語の原曲では「悪魔は笑い」だが、この部分は英語でもなんとなく空耳で「あくまはわらい」と聞こえるような…。

The wax 定冠詞の the が付いているのが面白いというか怖いというか…。

weep は「泣き叫ぶ」とかではなく「しくしく泣く」。

Now he's stalking you
 ここまで「情景(真夜中)、悪魔、神々、蝋、少女」について語ってきておいて、唐突にここで「you(聞き手)」が登場。しかも「彼がお前をストーキングしてるぞ」ときた。聞き手は絵本でも読むかのように第三者としてこの曲を聞いて(歌詞を読んで)いて、別世界のメルヘンなお話として「蝋人形の館」を感じていたのに最後の最後で実は自分も老人にロック・オンされていたことを知るわけである。この展開、もうめっちゃくちゃ怖いですよ。原曲だと最後の「You shall never return home!」だけが英語なので(単なるセリフとも取れるために)つい聞き流してしまう部分なんですけど、一行前にこの「Now he's stalking you」が入っただけで一気に怖くなる、いやぁ凄い演出です。


<つぶやき>
 今回はべらぼうに訳しづらかったです…。こーいう「ニュアンスはなんとなくわかるんだけど一般的な日本語にしづらい」英語って大ッ嫌いなんですよ(涙)。
 これまで「どういう順番で訳してどういう順序でアップしていくか」は全く考えず行き当たりばったりだったんですが、今回で10回目(10曲目)ということで、「まだ蝋人形やってなかったな…、一応世間的には一番の代表曲だからじゃあコイツを10番目に持ってこようか」と思ったのが運のツキでした。てこずりましたねぇ。
 
 原曲は「何処の誰だか正体が全くわからない謎の老人」が、「どっかから少女をさらって来て」「家に連れ込んで人形にしちゃう」という、言ってみればただそれだけの内容の歌詞でして(爆)、あとは適当に情景描写があってラララララ〜♪で終わってしまうある意味かなり能天気な歌なんですが、今回はもう少し内容が具体的になり、老人の目的がやや明確化されました。芸術家だったんですね。


<再録について>
 え〜、まだExpoバージョンしか聞いてないので基本的にExpo版(限定版)についての感想になります。

 限定版にのみ入っている、ジェイル代官の手によるイントロが素晴らしいですね。エース長官の弾いていたフレーズを忠実にコピーしながらも、三度上の音を重ねたり細かい技が光ります。何よりクリーントーンの音色が素晴らしい。閣下の語りは、所々はわかるものの流石に全てはヒアリング出来ませんでした(涙)。この曲といい、デモンズナイトといい、第二教典(CD及びLP盤)に入っていたイントロの語りが懐かしく感じられる演出となっております。

 お馴染みのイントロフレーズは、エースとはちょっとミュートのポイント(刻み方)が違うので新鮮です。フレーズ自体は全く同じなんですが、もしかすると運指も違うのかもしれません。
 日本ではともかく、海外ではおそらくよく知られているはずのオジー・オズボーンの「CRAZY TRAIN」にそっくりのこのイントロフレーズ、パクリと批難されるのを承知であえてこの曲をラインナップに入れてきた潔さに敬意を表したいと思います。


 ギターソロはホントに素晴らしいっ!!!
 「BIG TIME CHANGES」のギターソロに関しては後ほど思う存分恨みつらみを書き連ねたいと思いますが(苦笑)、この蝋人形に関しては文句の付けようがないカバーっぷりです。前半はエースの弾いていたフレーズ(メロディ)の完コピで、後半からジェイル独自のメロへと崩れていくんですがその傾(なだ)れ方が実に見事。エースに負けず劣らずの情感たっぷりのフレーズで、しかもこれがまたなんともいえない80年代歌謡曲テイスト!を醸し出しています。慣れ親しんだエースのフレーズに敬意を表しつつ、それを上回る独特でメロディアスなフレーズ、しかもどこかデビュー当時の懐かしささえ感じさせてくれます。「これぞまさに蝋人形のソロ!」と思わせる、曲にぴたりと寄り添う名演です。

posted by SeireiK at 20:35| Comment(0) | TrackBack(1) | 悪魔NATIVITY 勝手に日本語訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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SeireiKさんの悪魔NATIVITY日本語訳「THE HOUSE OF WAX」
Excerpt: いやあ[E:coldsweats01]めっちゃサボってました[E:sweat01
Weblog: いとおかし
Tracked: 2010-04-13 21:45