2006年02月21日

CANTAに望むささやかなお願い♪

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 聖飢魔IIがBMGに移籍してから明らかにルーク篁の作る曲は「一皮剥けた」感がある。というかその前のPONK!!世界一のくちづけをで(いい曲という意味では)既にその兆候は見えていたし、更に言えばセビリア・ロンドン・ニューヨークでのミサ後からかなり「聖飢魔IIに似合ういい曲」という観点で曲を作るようになっていたとは思うのだが、BMG移籍後に出たメフィストフェレスの肖像から彼の作る曲は、彼の言葉(確か魔人倶楽部の会報か何かで言っていた)を借りるならば「ダミアン節に自分を近づける」ようになった。「聖飢魔II用の曲を書く」ということをより明確に意識し、「ダミアン浜田の(単純かつ王道・定番的な)コードワーク」を踏襲しつつメロディは自身のうちから流れるものを、という感じだろうか。その典型的な例は一曲目の「地獄の皇太子は二度死ぬ」で、この曲のイントロフレーズなどはいかにもダミアン浜田が作りそうな印象でありながらも全体からそこはかとなくにじみ出る「ルークくささ」をも感じることが出来る楽曲となっている。

 ここでちょっとぶっちゃけた話をしてしまうと、実は私はPONK!!以前のルーク篁作曲の曲で「凄く好きな曲」はあまり無かった(えー)。「いい曲」はあると思うが、アメリカンテイストたっぷりの曲はちょっと好みに合わなかったし、音楽的に私はその頃ひたすらエース清水に傾倒していた。また、この頃はルーク自身「自分の好きな感じの曲を聖飢魔IIにそのまま持ち込んでやればいいじゃん(聖飢魔IIだからこういう曲はできない、みたいな考え方はよくない)」と、かなり確信犯(←本来の意味での)的に明るくて大きな感じの曲をあえて聖飢魔II向けに書いていた(そんなような発言を雑誌か何かでしていたと思う)。因みにその手の曲で私が当時あまり好きになれなかったのは「ROCK'N'ROLL PRISONER」「有害ロック」「ピンクの恐竜」「夏休み」「BLACKBASS(たしか彼の作曲よね?)」等で、ソロアルバムも半分以上「あまり好きじゃない曲」だった。今聞くと「ROCK'N'ROLL PRISONER」や「BLACKBASS」辺りはかなり好きな部類なんですがね(苦笑)。あ、PONK!!になっちゃうけど「モーニングティーを二人で」とかもあんまし。

 ここで補足しておくと、私は決して「(一般的なイメージでの→)聖飢魔IIらしくない曲」が嫌いなわけではない(因みに上に上げた曲も決して嫌いだったわけではなく「めちゃくちゃ好きというわけではない」とか「CDをかける際たまに飛ばすことがある」というレベルではあるのだが)。むしろ「聖飢魔IIらしくない曲」は大歓迎でPONK!!が出た時は逆に「いや、これぞまさしく聖飢魔II!」ともう膝を叩いて喜んだし、構成員全員が「聖飢魔IIらしさ」を意識しすぎた恐怖のレストランは私の中では評価はそれほど高くはないのである(←と言いつつ最近また改めてよさを再確認してきてたりして)。また、この「恐怖のレストラン〜PONK!!」の頃はバンドを取り巻く環境もよくなかったらしいし、「聖飢魔IIらしい(ふさわしい)、しかもいい曲」というものの作り方が彼の中でまだ確立していなかった。

 「聖飢魔IIらしくない楽曲群」を前面に押し出して冒険したPONK!!の売り上げが(デーモン小暮のスキャンダル騒動もあってか)芳しくなかったこと、10周年記念イベントのTHE SATAN ALL STARSを経たこと、ダミアン浜田のソロアルバム照魔鏡がこの頃出来たこと(彼自身は製作に携わっていないがダミアン節の再確認はこれを聞くことで明確になったのではないかと)、メフィストフェレスの肖像用にダミアン殿下に曲を提供してもらったこと等々から、彼は「ダミアン浜田節」を我が身に取り込むことに成功した。と同時にこれまでの「自分の好き勝手に曲作ってもいいんじゃん?」という意識から「徹底した聖飢魔IIサイボーグ」への意識が確立したのがこの時期だったのではないかと思う。メフィストフェレスの肖像所収の「地獄の皇太子は二度死ぬ」「GREAT DEVOTION」「HOLY BLOOD」はまさにダミアン浜田節とルーク篁の音楽センスが融合した聖飢魔II史上に名だたる名作ハードロックナンバーである。

 そして次の大教典(アルバム)NEWSである。ここではダミアン浜田テイストを微妙に残しつつも完全にそれを取り込んで消化し自分のものとした感のある「デジタリアン・ラプソディ」「Brand New Song」「SAVE YOUR SOUL 〜美しきクリシェに背をむけて〜」等のハードで重くてかつ爽やかなナンバーを聞くことができる。

 MOVEになるとついに、詩と相まって完全に「ルーク篁ワールド(聖飢魔II編)」が確立した、と言ってもいいのではなかろうか。彼は「NEWSの時のようないい曲が書けなかった」と言っているが、私にとってはさにあらず。そしてこの頃と言えば聖飢魔II解散まで残り1年あまり。いやがおうでも信者たちも解散を意識し始める頃である。

 このNEWSMOVEの時期に確立したルークワールドの展開ぶりから私は現在のCANTAを確かに見た。ハードでメロディアスな楽曲に乗せた切ない詩。それを(「デーモン小暮が歌えるように」意識して作詞したり、ダメだしされて書き直したりすること無く)「自分の伝えたい言葉を伝えたいように自分の言葉で作詞し、自分の感情を自分の声で切々と、ハードに歌い上げる」聖飢魔II解散後のルーク篁の姿を、私ははっきりと思い描き、期待し、心待ちにした。「聖飢魔II解散後私が一番力を入れて追いかけようと思うのはルーク」などという感情がまさか私に芽生えようとは、有害が出た頃ではまるで考えられなかったというのに。

 …さて、やっと話は本題に入る(いくらなんでも枕が長過ぎじゃー)。CANTAのファーストアルバムEverything's Gonna Be Alrightはほぼ完全に私のイメージ通りの内容だった。やや意外だったのは「いくらなんでも暗すぎなんちゃう?」ってことくらいで思わず「ど、どうしちゃったのルーク? 何かあったのか?」と心配してしまったが(苦笑)、中身はホントに期待に違わぬ「重い・暗い・ハードな音+ねちっこく迫る切ないボーカル」という素晴らしいアルバムだった(「108」とか明るいじゃんっていう方もおられましょうが、歌詞のせいもあり私には充分暗くキツい歌に感じたのございますよ)。
 
 二枚目のFractionでは、歌詞は辛辣ながらもいかにも明るいイメージのストレートなロックナンバー「Good Morning,Wild Times!」「Happy Birthday To You!」が素晴らしい。この明るくストレートなハードナンバーという方向性は、その後三枚目のNon-Homogenizedで「Fly!」や「Tonight3」といった曲に引き継がれ、一枚目の「Beautiful」や三枚目の「Crying Days」等の暗く重たいスローナンバーや、一枚目の「Irritation」や二枚目の「Everyday」に代表される「切なく歌い上げる熱唱系」ナンバーと共にCANTAの音楽を構成する柱の一つである。

 し・か・し、である。私は声を大にして言いたい。私は一枚目に収められている「ニケ」がかなり好きなのである。この「ニケ」という曲は、CANTAの一枚目に入っているということもありまだ「聖飢魔II臭」が色濃く残っている曲である。ギターソロもアドリブの発展系のようなものではなくきっちりしたシークエンスパターンものだ(とは言っても充分CANTAワールドな曲でありデーモン小暮が歌っているイメージを浮かべにくい曲ではあるのだが)。聖飢魔IIのNEWSに「火の鳥(←彼の曲)」を入れるかどうかという話し合いで彼は「これ、今までの聖飢魔IIっぽいから止めようよ」と言ったらしいが、おそらく「ニケ」も聖飢魔IIっぽいからであろうか、この手(早いテンポのタテノリ曲に切ないメロディというパターン)の曲はその後CANTAで聞くことが出来ない。なんせあまり「同じことはやりがたらない」お方であるし(笑)、おそらく彼の目指す「CANTA像」からはちょっと離れている曲なのかもしれない。

 し・か・し、私は好きなのだ。いや、「ニケがめっちゃくちゃ大好き、一番好きっ」というのではない。「こういうタイプも好き」なのである。ここまで長々と読んで頂いた方にはどうか思い出して頂きたい(苦笑)。私は「BRAND NEW SONG」や「SAVE YOUR SOUL」のような曲をルーク篁が(聖飢魔IIとは微妙に異なる歌詞世界でもって)歌う姿をそもそも期待し想像していたのだ。NEWSMOVEが出た頃、「ああ、解散後に彼がこういう曲を自分で歌う姿を見てみたい」と思ったのだ。「Happy Birthday To You!」のような曲を歌ってくれるのは嬉しすぎる誤算であって本来期待していた姿とはちょっと違うのだ(←超大好きだけど)。

 だが、おそらく彼の中で「BRAND NEW SONG」や「SAVE YOUR SOUL」のような曲は「バリバリ聖飢魔II用」の曲であって、やはりそこには意識下であれ無意識下であれ少なからずダミアンテイストというべき何物かがが潜んでいたに違いない。その如実な例がギターソロである。CANTA一枚目を聞いた私の些細な不満点は「私好みのギターソロが少ないなぁ」ということだった。アドリブから派生・発展したようなソロが多いのだ。「ギターソロのための曲には全く興味がない」と以前彼は言っていたし、私も「ソロを取ったら他に何も残らないようなつまらない曲」は嫌いだ。しかし「BRAND NEW SONG」や「SAVE YOUR SOUL」のギターソロは、曲をより盛り上げるスパイスとしての、曲にしっかり寄り添い合致した素晴らしいソロであると同時にギターソロ単体だけ取り出してそこだけ聞いてみてもやっぱり素晴らしいという名ソロである。しかしこういう系統の曲にこういう系統のギターソロ、というパターンはやはり「聖飢魔II用」ということなのか、CANTAでは聞くことができない。一番近いのが強いて言えば「ニケ」というくらいだ。そしてソロに関しては彼自身「歌うことに神経が行ってしまってギターに気持ちが行かなくなった」というような発言をしているし、そのためCANTAでは「ソロを以前程作り込まなくなった」等ということを語っているので、こういう(きっちりとした)パターンのギターソロはCANTAでは今後も聞けない可能性が高い。一枚目を聞いた時に「多分こうなんじゃないかな」と思ってはいたので彼の口(教則DVD)からそれを聞いた時には「あぁ、やはりそうだったのか」と納得ではあったが、「練習フレーズをちりばめたかのような、シークエンスパターンやスケール運指パターンを多用したなおかつ音楽的にメロディアスで美しい」ギターキッズ好みの(苦笑)ギターソロをCANTAではもう聞けないのかと思うと淋しく感じる。

 話を曲に戻す。これはあくまでも私の感じ方なので「ニケに似ている曲はあれとかこれとかあるじゃん」という意見をお持ちの方もおられるかもしれない。しかし少なくとも私の感覚では「ニケ」と同系統の曲はCANTAには無い。そしてまた問題なのが、どうも「ニケ」はCANTAファンにすらもあまり好かれている曲ではない、ということだ。ちょっとうろ覚えなのだが、去年の4月頃「公式サイトで好きな曲投票をやり、10位から1位までの曲を10位から順番にライブで演奏する」というような企画があった。その時の10曲にたしか「ニケ」は入っていなかったのだ。「いや、入ってたよ」と言われたらまいっちんぐなのだが(汗)、「えーニケ入ってないのぉ〜?」と驚いた記憶があるので多分入ってなかったはずである。「自分があまり作りたいパターンの曲でない上にどうやらファンからもあまり好かれていないぞ」ということであれば、「ニケ」のような曲はそりゃその後生まれようはずもないわけだ。

 し・か・し、無理を承知であえて私は言いたい。「アルバムに一曲でいいからああいう系統の曲を毎回混ぜてくれないかなぁ」と。出来ればかっちりきっちりしたギターソロを添えて。そういう曲はどうしても聖飢魔IIの影がちらついてしまって作りにくかったり、作ろうとしても今の心境だともう作れなくなってしまっていたりするんだろうなとは思うし、私もああいう曲をじゃんじゃん作って欲しいとは言わない。今のCANTAには既に9割以上満足している。残り1割は新たな楽曲を作る未来のCANTAに対する期待なわけなので100%の満足はいつまでたってもありえないのだが、その1割の中にある些細な不満点の一つが「ちょこちょことでいいから、たま〜にでいいからニケっぽい曲も作ってくれ!」なのである。

 …それにしても。「ニケみたいな曲好きだから出来ればもっと作ってくんねぇかなぁ」と書けば一言で終わる話を長々とよくもまぁ書いたもんだと我ながらちょっと感心(←いや、そこ呆れなきゃいけないとこだから)。
posted by SeireiK at 01:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
面白過ぎます師匠!(笑)
ニケ、好きですよアタシも。
LUKE篁さんらしさが出てると思う耳年増。
今度の「百歌颯鳴」は『自分の中からのみ出して来た音』
らしいので、期待しちゃいますね(^-^)/
Posted by Kasuga★Mahoroba。 at 2006年02月21日 18:19
どもども。お姐様に何か突っ込まれそうでヒヤヒヤしてましたが面白がって頂けて非常に満足です(苦笑)。
遅ればせながら今日「ロッキンf」見ました(立ち読みで…汗)。「作曲能力が昔に戻った」みたいな話を読んで「昔の曲あんま好きじゃなかったとか書いちゃったよどうしよう」って青くなっちゃいました。「百歌〜」どうなんでしょうね〜。私はのんほもの円熟味がもっと増したようなのを想像してるんで、そうするとまたニケタイプの出番は無いのかな〜って予感がしてしまうんですが^^;。
Posted by SeireiK at 2006年02月21日 23:34
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