2010年04月07日

『ザラゴス』読了

 テーブルトークRPG「ウォーハンマー」の舞台設定を踏襲したゲーム小説。私はウォーハンマーについては全然知らなくて(つい最近名前を知ったくらい)、本屋(ブックオフ)でふとこの本を見つけた時も買おうかどうしようかちょっと迷ったんですが、なんせ105円だし(笑)、今は亡き社会思想社の現代教養文庫ということで買ってみたら大正解でした。

 プロットとしては、入れ子型とでもいうのか、千夜一夜物語的な感じになっています。主人公オルフィーオはリュート弾きの語り部(いわゆる吟遊詩人)で、冒頭で悪漢に捕われます。オルフィーオがザラゴスというところへ行って来たことを知ると、悪漢のボスはザラゴスについて知っていることを全て話せば(そして自分を満足させることが出来たら)オルフィーオを釈放してやろうと約束します。物語は大きく二つにわけられ、その間にオルフィーオとボスの会話が挿入されますが、物語パート自体は「いかにもオルフィーオが語っているような口調」などではなく基本的に普通の小説の体裁を取っています。

 前半部分はちょっとタルイところもありますが、後半の畳み掛けかたは圧巻で、非常に面白かったです。はじめに書いた通りこれはゲーム小説ですが、ごく普通のファンタジー小説として純粋に楽しめます、というかゲームくささを全く感じさせません。

 ゲームくささといえば、ゲーム小説であることからかキャラクター設定がしっかりしていて、オルフィーオはエルフに育てられた吟遊詩人なんですが、頑なに自分のことを「吟遊詩人」とは呼ばせません(笑)。吟遊詩人というのはエルフにつける呼称のことであって、自分はあのレベルには到底達してはいないからただの「リュート弾き」だと主張するのです。この辺りのコダワリは読んでいて微笑ましく、非常に共感できるところです。「ミュージシャンなんてとんでもない!しがない一介のギター弾きに過ぎません」みたいな(笑)。



ザラゴス (現代教養文庫―吟遊詩人オルフィーオの物語)ザラゴス (現代教養文庫―吟遊詩人オルフィーオの物語)
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posted by SeireiK at 00:12| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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