2010年04月17日

最終回・HUMANE SOCIETY(後編)

10億光年離れたところから、私は苦悶の叫びを聞きました
私の生まれながらの本能に訴えかけて、彼らが私を呼んでいるのがわかるのです

そこで私はその苦痛を探し求め、迫害の中(うち)にいる彼らを助けようとしました
しかし私は今や、茫然自失でただただ硬直しています、全ては死体の山なのです!

もし 愛が全ての生物を救うものであるならば
では何故に彼らは死なねばならないのでしょうか?
もしもあなたが 愛が答えであると思うのならば
目を開けて見て御覧なさい、今も“害獣たち”がすすり泣いています!


理性的な精神を誇りとする人々は、無防備な犠牲者たちを虐殺しました
動物の皮膚から作られた譜面(五線紙)の上には、失われたものたちへの鎮魂歌(レクイエム)

上辺(うわべ)だけの懺悔を装って、気違いじみた償い
死と贅沢な生とを引き換えにする、そんな “知性に満ちた獣(けだもの)” !

もし 愛が全ての生物を救うものであるならば
では彼らは何処(いずこ)へ行くべきなのでしょうか?
もしもあなたが 愛が答えであると思うのならば
注意深く耳を傾けてみなさい、怪物は今も泣き叫んでいます!


そして死滅の後には、プロパガンダを気取り
完璧かつ上等な(flawless and superior)、これこそが “慈悲深き社会”!


もし 愛が全ての生物を救うものであるならば
では何故彼らのうめきが私には聞こえないのでしょう?
もしもあなたが 愛が答えであると思うのならば
では彼らの楽園を元に戻してください

もし 愛が全ての生物を救うものであるとしたら
では何故に彼らは死なねばならないのでしょう?
もしもあなたが 愛は答えである と思うのであれば
では目を開けて見て御覧なさい、今も“害獣たち”はすすり泣いています!



<メモ>

I'm now, finding only petrified, all the bodies of the dead!
文法的には「find O C」の倒置で「find all the bodies pertrified」のような気がする。とすると「全ての死体が硬直しているのを見つけた」が正確な訳のはず。ただ「only petrified」という語句からは「私」が(死体を目の前にして)びっくり仰天しているというニュアンスを強く感じるので、こんな感じに訳した。間違ってる可能性大。

'cause Monsters'
単純に考えて「cause Monseter(害を引き起こす獣)」を括った形だと思うが、「'cause」がbecauseの省略形であると考えると解釈が変わって来てしまう。ただ、そうだとすると続く言葉は「Monsters’」ではなく(二番の歌詞のように)「Monster's(進行形)」となるはず。だとすると訳は「今も怪物たちはすすり泣いていますから!」となる(個人的にはこちらの方が好み)。こんな風にアポストロフィを使って進行形の「s」を略すことってあるのかどうか、浅学ゆえわからず。また、「cause」は名詞もしくは動詞で「原因となるもの、原因、引き起こす、生じさせる」だが、「(害の)原因となる」というような形容詞的用法があるのかどうかも不明なので単純に「害獣」としていいのかどうかも難しいところ。
 因みに、もし「Monster's」となっていた場合には、前の語(目を開けて見ろ)との関係で「モンスターが泣いているのを見ろ(weepingは目的語)」という解釈も成り立つので更にややこしい。

in the wake of  〜に倣って、〜に続いて、〜の結果として

humane society こ、これまで長い間ずっと「ヒューマン・ソサィエティ(人類社会・人間社会)だと思ってました…。humanじゃなくてhumaneだったんですね…。

Then why can't I hear them howl?
流れからすると「I」ではなくて「you」な気がするんだけど…?????

原曲タイトルが「害獣(けもの)達の墓場」ということで最初は monster を「獣(けもの)」と訳していたんですが、Monsterに対する(おそらく人間の暗喩である)語句である「Intelligent Beast」の「beast」を「動物」などではなくどうしても「けだもの」としたかったので、別のものであるということを明確にするため monster は「怪物」としました。

↑「cause Monsters」の解釈を「理由+進行形」としていた時に書いた文章。結局「害獣」とした。ただし二番は複数ではなく単数ということもあり、訳し分けの意味も込めて「怪物」とした。



・最終回にして初めての、なんと敬体による訳出です(笑)。初めは今まで通り悪魔口調というか、偉そうな人が語るような感じで訳していたんですが、「常体で訳すより敬体の方が切々とした悲痛な悲しみが増していいかも」ということで冒険してみました。結果としてはなかなかいい感じになったんではないかと。



<楽曲について>

 (未だに通常版聞いてないので、以下は限定版(Expo.Ver.)に関しての感想になります)

 JAIL代官渾身のギターアレンジにより、名曲が更に素晴らしい進化を遂げました。ガシャーンとガラスが割れるようなイントロのクリーントーン(もしかするとキーボードかもしれませんが多分ギターのクリーントーン)がまず耳を引き、その後も右チャンネルからはひたすら「ACE長官とは全く異なる」フレーズが展開されますが、左チャンネルから聞こえるルーク参謀のパートは通常通りというところもミソ。このギターオーケストレーションというか、アンサンブル具合が絶妙です。「BIG TIME CHANGES」のギターソロアレンジには悔しくて涙した(と思われる)ACE長官も、この「HUMANE SOCIETY」のアレンジっぷりは本当に嬉しかったのではないかと思いますよ。

 また、JAIL代官の仕事っぷりが尋常ではないのでついついギターに耳が行きますが、ドラムスのさりげなく細かい技も随所に目立ちます(ライデン殿下お得意の、シングルペダルを「ダダッ」と踏む高速足技がきっちり聞こえてくるのが心地よくて快感です)。

 Expoバージョンではギターソロが無い(代わりに間奏では雅楽器による和音が入っている)というのも秀逸なポイントです。この曲が今回の再録のラインナップに入っているのを知った時、まず思ったのは「多分ギターソロ入れるんだろうな」ということ。この曲には本来ギターソロは無いわけで、そこがまた作曲者のコダワリでもあると思うんですね。しかし、アレンジして再録ということになればギタリストならば当然ギターを入れたくなりますので、JAIL代官だったら間違いなくここにギターソロを入れて来るだろうと思いました。また、これは最近知ったのですが、ACE長官は解散ミサ時にこの曲でギターソロを弾いておられました(!)ので、「ソロが無い」ということにそれほどこだわらなくてもいいのかもしれませんが、単純に「ギターソロが無い曲だったからソロ入れたよ」というアレンジになるのは個人的にはちょっとだけイヤでした。
 ところが、蓋を開けてみればこの曲は通常版と限定版(海外版)に分けられ、ギターソロが無いバージョンもちゃんと作られたのでした。「あぁ、作曲者に敬意を表しているな」ということがわかって、個人的には凄く嬉しかったですね。「BIG TIME CHANGES」も2バージョン作って欲しかった…。
 そういえば海外版で収録されている雅楽器の間奏部、歌が始まる直前部分の和音が「Dooms’ Day(「闘う日本人」のカップリング曲)」の間奏にやたら似ていると思ったのは私だけでしょうか…?(いやぁデジャブ感じました)

 その他、強いて言えばACEコダワリの「コキン・コキン」というキーボードパートが無くなっていたのがちょっと残念でしたが(「HUMANE SOCIETY(害獣達の墓場)」が収録されている第五大教典「THE OUTER MISSION」は元レベッカの土橋安騎夫氏がアレンジを担当しているわけですが、この「コキン・コキン」に関しては土橋氏ではなく長官御本悪魔が考案されたとのことでした)、その分JAIL代官のアレンジが素晴らしいので帳消しです。いやホント、これだけやってくれれば言うことは無いと思いますよ。


<というわけで…>
 一応、「勝手に日本語訳」はこれにて完結でございます。この後アルバム全体の総括みたいなものも書く予定ではいましたけど、面倒なので多分無期延期になると思います(爆)。
 最後に、いとおかしのPOPEEさんはじめ、応援して頂いた皆様に感謝致します。誰のリアクションも無かったなら多分第二回で終わっていたと思います。おかげさまでどうにかこうにか最終回を終えることができました。本当にどうもありがとうございました。
posted by SeireiK at 00:12| Comment(2) | TrackBack(1) | 悪魔NATIVITY 勝手に日本語訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
シリーズ完結お疲れ様でした!!

SeireiKさんのおかげで益々聖飢魔U信者で良かったと思えました(*^。^*)

私だけじゃなく、きっと沢山の方がこのシリーズ見ていらっしゃったと思います。
コメントやTB付けるまではいかなくても、拝見して聖飢魔Uの世界観が分かりやすくなった、と思った方が沢山いらっしゃると思います。

ほんとにお疲れ様でした。

さぁ、今度は当方の番ですね。。。ガンバロ。。。(汗)
Posted by popee at 2010年04月18日 16:53
POPEEさんどうもありがとうございます〜。
本当に、POPEEさんのトラックバックがなかったら途中で終わってたと思います。「やばい、追いつかれて来てる〜」というのが程よいプレッシャー(?)になりました(^^)。


>さぁ、今度は当方の番ですね。。。

感想一つ書くのにも結構パワーが要りますからなかなか大変ですよね。のんびり行きましょう!
(私なんて気がついたら2005年の再集結の感想をいまだにまとめてないです(汗))。
Posted by SeireiK at 2010年04月19日 02:35
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SeireiKさんの悪魔NATIVITY日本語訳「HUMANE SOCIETY」(後編)
Excerpt: ほんとにほんとに最後です。なんかちょっと寂しいのは気のせいじゃない筈です[E:c
Weblog: いとおかし
Tracked: 2010-05-02 22:18