2007年06月27日

「国家の品格」

 他人の趣味に関心を示さないO型一家の我が家では基本的に家族の本を読むことは(貧乏性の私以外)滅多に無いんですが、何故かこの本は最近我が家でちょっとブーム。面白かったので一気に読んでしまいました。序文の方にあった、「15世紀頃世界で統一国家を作っていたのは日本だけ」という部分には(江戸時代以前は群雄割拠じゃんということで)やや疑問がありましたが、それ以外の大部分では私の持論ともかなりかぶるところがあり、うむうむやはりそうだよなと深く頷きながら(心の中で喝采しながら)読みました。やっぱ英語よりまず国語(&読書)っすよ。「家庭の方針として課外授業(英会話等)をやるのはいいが、初等教育の一環として小学校のカリキュラムに英語(やPC)を入れるなんてことは絶対してはいけない」という意見には大賛成です(ただし私はそこまできっぱり言い切れません…せいぜい「しない方がいいっぽいみたい」的な程度ですが)。特にパソコンなんて学校で習っても、成人する頃にはOSだのシステムだの環境だのガラッと変わってそうですしねぇ…(もちろん家庭で「慣れ親しむ」のはおおいにアリだと思いますが…ってか小学生の時欲しかったもんなぁ、PC-6001マークII)。

 その他、私は経済にはとんと疎いんですが、カルヴィン(カルヴァン)主義からジョン・アダムス→ロック→独立宣言へと至る過程なんかが簡潔に説明されていて「なるほど、名前だけは知ってるマックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』にはそういうことが書いてあるのね〜」と感心しきり。

 それと、著者はとにかく「論理」とか「理詰め」、「合理的」であることの危うさ、不完全さを強調しているんですが、そういう著者の文章自体非常に論理的で小気味いい(笑)ために妙に説得力があってつい納得してしまうんですね。その辺のパラドックス加減が面白いと言えば面白いです。「論理は出発点が重要」というのは言われてみれば当たり前のことなんですが目から鱗でした。

 講演内容を文章化しているということもあり、非常に読みやすくてユーモアもあり、面白いです。日本をベタ褒めしている割に思想的に変な偏りも感じられず(少なくとも私には感じられませんでした)、「何故日本的なものの見方とか価値観が素晴らしいのか、今必要なのか」をそれこそちゃんと(強引なとこもあるけど)理詰めで丁寧に解説してくれているので好感が持てます。100%賛同するのもどうかと思いますが、ある程度冷静に(面白がって笑いながら)読めればかなり面白い、オススメの本です。

(Amazonのレビューに内容と全く関係ない従軍慰安婦のこととか書かれてますがそんな本じゃありませんので(笑)。ただし一点(星一つ)をつけている人の感想の中にはもっともなところもあります)

国家の品格国家の品格
藤原 正彦

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posted by SeireiK at 03:05| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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