2014年03月19日

芦辺拓 『スチームオペラ』読了

 無事志望校に受かった御礼ということで、教え子が私に Amazon 商品「欲しいものリスト本 編)」の中から芦辺先生の『スチームオペラ』をプレゼントしてくれました。日頃 Twitter では色々と(不躾にも)お話させて頂いている先生の作品、読了はなんとまだ三作目であります(汗)が、「怪人」「恐竜」と来て今回はなんと「スチームパンク」!です。これまた「芦辺拓に外れ無し」臭が漂いまくりのテーマです。

 これまで読んだ二作よりも更に取っ付きやすいというか、読みやすさがアップしているというのが最初の印象。最近先生はライトノベル界に興味を示していらっしゃるようで、それが良い方向に影響しているのだろうと感じました。ラノベっぽい。(と言っても私自身ラノベと呼べるものは「電波女と青春男」の一巻しか読んでいないので、私に取って「ラノベっぽさ」というのはあくまでも想像でしかないのですけども)
 「先生の本は読者をどこに導こうとしているのか解らない不思議なもやもや感、読んでいる最中の不安感がある」と直接申し上げたことがあったんですが、今回に限ってはそれはほとんど無し。章と章の間に挟まれる小エピソードがそれと言えばそれっぽかったけども、これは一般のミステリでも見られる「初読ではよくわからない伏線」の類いだしね。これまでに読んだ三冊の中では一番「普通の小説」っぽいというか、ライトな感覚の読み応えでした。

 (以下多少ネタバレ、多少ですが。ネタバレというより内容紹介程度に)




 にもかかわらず、最後にはやっぱり芦辺拓氏ならではの「うむむ、そこにはオイラ全く気がつかなかったわい」と唸ってしまう、伏線の収束がしっかりありました。これはホント素晴らしい。流石先生、参りました。

 トリックに関しては、舞台が舞台なので、それに相応しいトリックが使われます。なのでどうしても釈然としない感はあるのですが、よくもまぁこのスチームパンク世界における「常識」を想定した上でそれに見合った事件並びにトリックを発想出来るなぁ、と感心しきり。因みに本の帯からすると三つの事件(謎)がありそうに思えるのだけども、トリックがある殺人事件としては大きく数えると二つ(+小二つ)。これらに関しては今回は小粒感が否めずちょこっと物足りない印象がありましたが、今作は何よりも虚構の「スチームパンク世界」を楽しむ、主役エマの冒険譚を楽しむ、という目的が大きいために、今回はこのくらいでいいのかな、という気になります(続編を切望と暗に申しあげておりますね、はい)。まぁ小粒と言いつつも、、、(ごにょごにょ)ですし。


 (以下もうちょっとネタバレ。内容の個人的解釈。未読の方は注意)


 最初の事件、時系列でいうと三つ目の事件ですか、あれは私は全く違うもう一つの解決が頭に浮かびました。隕鉄を被害者が両手に持って、バスケットボールでいうところのチェストパス(胸から手を前に突き出してパスする)を、天井に向かってやれば、そして落ちて来る隕鉄を頭部で受け止めれば自殺が可能なのでは?と・・・。まぁ腕の筋力が相当無いと無理ですけども、この方法ならボーリング球があれば密室内において謎の自殺が可能ですよ皆さん!と考えるとなかなかにガクブル。人って簡単に死ねるなー。(流石に怪我だけで済むかなぁ)
 あと、あの方法だと隕鉄だけじゃなく砂も巻き上がらないかな。。。とか。

 229ページの魔人(イフリート)のくだりは、初読時でも放射能・原発事故を連想させる文章でした。先生としてはやはりそうしたことが頭にあって、作品内でさほど強く主張されることはないながらもそうしたメッセージ性を感じさせられました。

 286ページの12行目の「大陽」ってのは「太陽」の誤植なのかな。大きな太陽、の意味とも取れるのでわざとかも。


 最後に。エマ・ハートリィはとても魅力的な主人公なので続編希望であります。そして先に述べてしまいましたけども、今回もやっぱり最後にしっかりと「ええええええ!?」とビックリさせてくれる芦辺作品でありました。そしてまたしても高らかにこう宣言することが出来、うれしい限り。芦辺拓に外れ無し!と。



 あ、書き忘れてたけど装丁も素晴らしいです。カバー絵もお気に入りですが、カバーを取るとハード本っぽく見えるところもまた秀逸。


スチームオペラ (蒸気都市探偵譚)スチームオペラ (蒸気都市探偵譚)
芦辺 拓

東京創元社 2012-09-21
売り上げランキング : 312575

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



電波女と青春男 (電撃文庫)電波女と青春男 (電撃文庫)
入間 人間 ブリキ

アスキーメディアワークス 2009-01-07
売り上げランキング : 187559

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
posted by SeireiK at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月29日

2012年に読んだ本

 年がら年中ミステリかSFかファンタジーしか読んでないわけですが、今年の裏テーマは「怖がる」。ホラー系を出来るだけ読むようにしました。本だけでなく出来るだけ怖いものに目を通したり、ニコニコ動画の「RINGシリーズ四作品ぶっ続け」を見たり(笑)。


粘膜人間 (角川ホラー文庫)粘膜人間 (角川ホラー文庫)
飴村 行

角川書店 2008-10-25
売り上げランキング : 7862

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 今年の初っ端はコレ。内容は…もうあまり覚えていない(汗)。


誰彼 (講談社文庫)誰彼 (講談社文庫)
法月 綸太郎

講談社 1992-09-03
売り上げランキング : 285157

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 初の法月綸太郎作品かな? 内容は…粘膜人間に輪をかけて覚えてない…。


指 (角川ホラー文庫)指 (角川ホラー文庫)
栗本 薫

角川書店 2003-01
売り上げランキング : 772784

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 これはよく覚えていますね。面白かった。じわじわと怖い。栗本薫作品もこれが初。

左手に告げるなかれ (講談社文庫)左手に告げるなかれ (講談社文庫)
渡辺 容子

講談社 1999-07-15
売り上げランキング : 285458

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 これまたお初の方。このブログで度々言及している「真夏のミステリーズ」で紹介されていた系です。

らせん (角川ホラー文庫)らせん (角川ホラー文庫)
鈴木 光司

角川書店(角川グループパブリッシング) 1997-11-28
売り上げランキング : 113535

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 RINGとらせんが対になっている作品であることや、貞子というキャラクターは有名なので知っていたのですが、「らせん」ってどういう話なんだろう?と思い読んでみました。RINGは純粋にホラーらしいんですが、これは色々と面白かったですね。幽霊系の怖さではなく科学的というか。

鬼婆 (ハルキ・ホラー文庫)鬼婆 (ハルキ・ホラー文庫)
和田 はつ子

角川春樹事務所 2003-04
売り上げランキング : 541990

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 この方もお初。っていうか、今年は「この人の本は初めて読む」が特に多かったような。これは…あまり記憶に無いというか、ここだけの話「あまり面白く無かった」という記憶しか残ってない…(感想には個人差があります)。

あんただけ死なない (ハルキ・ホラー文庫)あんただけ死なない (ハルキ・ホラー文庫)
森 奈津子

角川春樹事務所 2000-11
売り上げランキング : 822246

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 「表紙に釣られましたね?」その通りですハイ。

ジ・アンソルブド (角川ホラー文庫)ジ・アンソルブド (角川ホラー文庫)
飛鳥 昭雄

角川書店 1997-04
売り上げランキング : 1011008

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 なんと作者があの「あすかあきお」だった(驚)。今は小説書いてらっしゃるのね。全然気がつかずに読んでたよ。

町 (角川ホラー文庫)町 (角川ホラー文庫)
栗本 薫

角川書店 1997-08
売り上げランキング : 871984

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 『指』に比べるとこっちは今ひとつだったかなぁ。

吸血鬼 お役者捕物帖 (朝日文庫)吸血鬼 お役者捕物帖 (朝日文庫)
栗本 薫

朝日新聞出版 2010-02-05
売り上げランキング : 404965

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 「こんなの読んだっけ?」と思ったら、お役者捕物帖で思い出した。これむっちゃくちゃよかったです。早乙女太一さん主演でぜひ映像化してもらいたい。

綺霊 (ハルキ・ホラー文庫)綺霊 (ハルキ・ホラー文庫)
井上 雅彦

角川春樹事務所 2000-08
売り上げランキング : 519542

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 井上サンも単独作品は初読。でもこれも内容覚えてないんだよなぁ…。最近忘れっぽすぎるだろ自分。

玩具館―異形コレクション (光文社文庫)玩具館―異形コレクション (光文社文庫)
井上 雅彦

光文社 2001-09
売り上げランキング : 468124

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 異形コレクションは一度読んでみたいと思っていて、タイトルがまさに自分を呼んでいたのでコレ選びました。オムニバスで色々な作家さんが読めるのは楽しいですね。

完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
乾 緑郎

宝島社 2012-01-13
売り上げランキング : 51199

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 このミスということでふらふら〜〜っと。あと「首長竜」にもつい。ただこれはあまり自分好みな作品ではなかったなぁという印象。

殺人鬼フジコの衝動 限定版 【徳間文庫】殺人鬼フジコの衝動 限定版 【徳間文庫】
真梨幸子

徳間書店 2012-03-24
売り上げランキング : 8858

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 『私は、フジコ』付きの限定版。もうね、これですよこれ。こういうのが好きなんです私ぁ(あたしゃぁ)。じっくり読み返すとアラがあるような気がしなくもないんですけども、こういう、読後がさっぱりしないのがいいというか(苦笑)。この作者さんの作品は全部読んでみたいという気にさせられました。今年一番のHITと言える作家さんかな。

われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)
アイザック・アシモフ 小尾 芙佐

早川書房 2004-08-06
売り上げランキング : 31679

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 最近自律型ロボットを作っているので、ちょっと再読したくなって。やっぱり面白いですわぁ。

完全復刻・妖怪馬鹿 (新潮文庫)完全復刻・妖怪馬鹿 (新潮文庫)
京極 夏彦 村上 健司 多田 克己

新潮社 2008-07-29
売り上げランキング : 56499

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 購入は結構前だったんですが、色々浮気していて読み終わるのが遅くなりましたです。いやーホントこの方達馬鹿ですねぇ(笑)。

人狼城の恐怖〈第1部〉ドイツ編 (講談社文庫)人狼城の恐怖〈第1部〉ドイツ編 (講談社文庫)
二階堂 黎人

講談社 2001-06
売り上げランキング : 293446

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人狼城の恐怖〈第2部〉フランス編 (講談社文庫)人狼城の恐怖〈第2部〉フランス編 (講談社文庫)
二階堂 黎人

講談社 2001-07
売り上げランキング : 383148

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人狼城の恐怖〈第3部〉探偵編 (講談社文庫)人狼城の恐怖〈第3部〉探偵編 (講談社文庫)
二階堂 黎人

講談社 2001-08
売り上げランキング : 381956

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人狼城の恐怖〈第4部〉完結編 (講談社文庫)人狼城の恐怖〈第4部〉完結編 (講談社文庫)
二階堂 黎人

講談社 2001-09
売り上げランキング : 252650

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 前々から読んでみたいと思っていた人狼城。やっと読めました。満腹。

ミステリー傑作選〈25〉誰がための殺人 (講談社文庫)ミステリー傑作選〈25〉誰がための殺人 (講談社文庫)
日本推理作家協会

講談社 1993-11-15
売り上げランキング : 1236322

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 ミステリー傑作選は前に読んだ『どたん場で大逆転』が外れだったのであまり期待してなかったのだけど、これは当たりでした。ほとんど全ての作品を楽しく読めました。

魔法の船―「歌う船」シリーズ (創元SF文庫)魔法の船―「歌う船」シリーズ (創元SF文庫)
アン マキャフリー ジョディ・リン ナイ Anne McCaffrey

東京創元社 1995-08
売り上げランキング : 486608

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 マキャフリーの『歌う船』シリーズと来たら読まざるをえない。と言っても実は『歌う船』しか読んでないんだけど(爆)。で、これ、五作目なんだそうですが、宇宙だけではネタが尽きたのか、遂にSFとファンタジーがフュージョンですよ。もうね、これですよこれ、これぞ小説!これぞフィクション!私の「好きな本ベスト10」に間違いなくランクインする作品です。面白かった。素晴らしい。傑作。いいから読め。

退職刑事〈5〉 (徳間文庫)退職刑事〈5〉 (徳間文庫)
都筑 道夫

徳間書店 1996-01
売り上げランキング : 170871

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 都筑道夫作品は結局『なめくじ長屋』シリーズとこの『退職刑事』シリーズ以外で面白いと感じるものにはほとんど出逢えていない…。ってなこと言うと褒め言葉になってないですね。いや、ホント退職刑事はすんごい面白いです。大好き。

暗黒祭 (角川ホラー文庫)暗黒祭 (角川ホラー文庫)
今邑 彩 北見 隆

角川書店 2003-01-10
売り上げランキング : 250876

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 現在読書中。蛇だの出雲だの作曲家だのと来たらもう読まずにはいられない。

 あと、『魔法の船』を読み終わった勢いで『歌う船』も再読中。

 今年はこんな感じ。来年のテーマは「SF」にしようかなぁ。ロボットものをたくさん読みたいんですがあまり本屋で見かけないんですよねぇ。

posted by SeireiK at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月23日

スキャン代行の提訴・その2

 昨日の続き。長くなりそうなので追記でなく新規記事で。基本的に昨日深夜にツイッターでつぶやいたことの補足です。

 昨日、「「最初からデータで売ってくれれば自吸いなんてしないんだ」という読者もいる。」と書いたが、これに対してなんと東野圭吾(もう呼び捨てにしてやる)は、

 「『電子書籍を出さないからスキャンするんだ』という意見にはこう言う。『売ってないから盗むんだ』、こんな言い分は通らない」

 とほざいているらしい。

 作家・東野圭吾ら"自炊"を代行するスキャン業者を提訴(ニコニコニュース)


 開いた口がふさがらない。

 金出して買ってる人を盗人扱いか。ここまで独善的で馬鹿なのか東野圭吾って。

 売ってないから盗んでる、というのは違法ダウンロードしてる奴。落とす奴も悪いがそもそも悪いのはそういうデータをアップロードする奴。「電子書籍を出してくれないから(自分で本を金出して買い、それを)スキャンする」人と違法ダウンロードする人を何故同列にする?馬鹿すぎる。これは、東野氏の著作を今まで買って来た読者、応援してきたファンに対する最大の侮辱であり裏切りである。今まで彼らのおかげ(印税)で食わせてもらっていたのだろうに、彼らの前で同じ事を言えるのだろうか?


 自分のものを自分で電子化するのはいいけど他人がやるのは法的にはかなりNGな行為。それはわかる。いや、納得は出来ないが、それに関しては現行法でそう記述されているから仕方ない。だからそこを突かれると判決としては業者は負ける可能性が高い。しかしこの7人の理屈はそこに感情論が混じり、東野氏に関しては怒りの矛先がずれている。「他人がやってあげること」それ自体はグレーだろうが、少なくとも「他人がやってあげる」という行為は彼らがどうこう言う著作権の問題とは全く関係ないはずだ。

 著作権と言えば、最近Winnyの作者が無罪になった。当たり前だ。包丁を作っている業者が逮捕されたようなものだ。

 Winny事件で日本が失ったもの


 彼ら7人はこういうニュースを見ているのか?著作権がどうこう偉そうに言ってるんだから当然関心持ってるニュースだよな?こういうことが全くわからずに「スキャンで電子化→データを違法にアップロード→俺たちの著作権を侵害してる」と連想が先走っているのではないかと思える。そこに「裁断するのは堪えられない」という感情論が付加。

 先に述べたようにただでさえ法的に被告側は不利な上、大手出版社がバックに付いている以上原告に勝つのは難しいと思う。しかし、こういうトンチキがこれ以上出て来ないように被告側は原告をコテンパンに負かして頂きたいと強く思う。


 もう一つ補足。丁度今日ツイッターでこんな記事が流れて来た。

 話題の非破壊自炊アプリJUCIE(林齧さん)

 私はiPhoneもiPadも持っていないが、いずれ役に立つときが来るかもと思い、(ってか安かったので)買わせてもらった。
 さて、「本の尊厳を」だとか「裁断されるのが堪えられない」と言ってスキャン代行業者にケチをつける人達よ、これならどうなんですかね? このアプリを使ってスキャンする業者が出て来たとしたら、どうなんですか?
 
posted by SeireiK at 01:40| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月21日

スキャン代行業者の提訴について

 作家7人がスキャン代行業者に提訴したそうだ。

 スキャン代行業者提訴で作家7名はかく語りき

 会見をちゃんと見た訳ではなく、あくまで↑を読んだ上での感想だが、全くもって愚かしいとしか言いようが無い。

 まず、私は個人的には紙の本大好き人間である。これはちょくちょくこのブログにも書いている。だから、浅田氏の言う「裁断された本、あれを正視に堪えない」という気持ちは個人的にはわかる。しかし、そもそも自吸い(ツイッターでの芦辺拓氏の意見を考慮してあえてこう書く)行為は、浅田氏のいう「10年20年と」いう長い期間作品を持ち続け大切にしたいから行う行為である。彼らはそこのところの理解が出来てない。

 本をもう少し大事にしてほしい、とか、本の尊厳が、等というが、これはあくまでも私のように「紙の本の質感が好き」だとか「装丁全体含めて本を愛する」という、物体としての紙の本が好きな人の意見である。しかし世の中様々な価値観の人が本を買っているのであって、中には「情報としての本に価値を置く」「本の中身(のみ)が大事」という人もいる。そういった人達に自分らの価値観を押し付けるべきではない。この辺りも読んでいて非常に腹立たしい。

 更に腹立たしいのは、まだスキャン代行が完全に違法と判断されたわけでもないのにかかわらず、「このような違法行為」などと言って代行を違法と決めつけ、善対悪の構図に仕立てようとしている意図が見えることである。よく知らない人は「違法とされていることを行っている業者を、作家が提訴したのだな」と思ってしまう。代行はまだグレーゾーンである。

 この作家7人の意見を読んで、納得出来るような意見は何一つ無い。「自分たちが愛する、自分たちの可愛い本が蹂躙されるのが悲しい」という感情論が先にあるだけだ。

 私のような紙の本大好き人間であっても、泣く泣く自吸いする人もいる。
 もちろんそれは所蔵スペースの節約のためであるが、電子書籍には更に、「自分の本棚の全ての蔵書をiPad(など)に入れて持ち歩ける」というメリットがある。私は絶対に自分の本を裁断なんてしたくない派なのでやらないが、これは本当に羨ましいと思う。
 自分が産まれてから今までの間に読んだ本全てを電子化して一生読めるようにだって、今から産まれて来る子たちはもうやろうと思えば可能な世の中だ。本好き、読書好きにとっては夢のような世界ではないか。
 それを手助けしてくれる代行業者に、手間賃を払って代行してもらうことに何の問題があるのか?
 「裁断されるのが嫌」「もっと本を大事に」というのは個人的感情だ。
 「海賊版(データのコピー)流通の温床になる」というが、そもそもネットに違法データを流そうとする人が果たして代行業者に吸い出しをお願いするであろうか? この世から代行業者がいなくなっても(というか存在する前から)、そういう輩は自分たちで文字通り自吸いし、ネットに流すであろう(し、流していた)。
 何故ここで代行業者の方が作家から叩かれねばならないのか理解に苦しむ。
 代行業者に問題があるのなら、古本屋の方がよほど違法だと思うのだが。
 (↑これに関しては、「譲渡権」は一度許諾すると消尽するだとか購入した本は私有財産なのでその自由な売買を規制することが出来ないとかで法的には問題ないらしいが、感覚的なものとして、ね)

 前にもツイッターで触れたが、電子書籍に関しては京極夏彦氏のスタンスがもっとも素晴らしいと思う。
 全ての作品を、ノベルス版・文庫版・電子書籍版・単行本と同時に出版する。
 世の中、「この判組みで読みたい」という様々な人がいて、電子書籍で読みたい人もいれば、出来るだけ安い奴で読みたいという人もいる。単行本を出してから数年後に文庫化していると、そういう様々な読み手のニーズに答えるのが遅くなる(売り機を逃す)、というわけである(中日新聞 11年10月21日より、要約)。
 先の7人の中には「一冊の本を出すのに色んな人がかかわっている(から本を大事にして欲しい)」という人もいたが、ではこの京極氏のやり方はどうなんだ?かかわっている人を無下にしていないし、彼は私なんかよりよほど紙の本愛好家に思える。しかし電子化にも早々に対応している。出版社にも読者にもありがたい対応である。「最初からデータで売ってくれれば自吸いなんてしないんだ」という読者もいる。

 (っていうか京極さんみたいに全ての作家がInDesignで書いてPDF入稿すりゃーいいんだよっての)

 この7人は独善的で頭が古いとしか言いようが無い。そもそも代行業者を「悪」だと捉える感覚がおかしい。もちろん判決次第では本当に「悪」認定される可能性もあるが、悪いのはコピーデータをネットに流す輩である。

 繰り返しになるが、紙の本が好きで好きで、それでも所蔵スペースのために泣く泣く電子化する人だっているのだ。「本を裁断するのに身を切られるような思いをする」のはお前ら作家だけではないんだぞ、と言いたい。




<ふと気づいたので追記>

 ガンダムのゲームをやっていて、プラモデルや玩具、代行制作されたプラモデルをネットで買う(買いたくなる)人がいるように、アニメを見てそのキャラのフィギュアが欲しくなる人がいるように、やはりモニターの向こうのデータを手で触れる3Dで弄りたい、自分の皮膚で感じたり思うように動かしたいって思う感覚が人間にはあるんだと思う。だとすれば、電子書籍が書籍の一般的な形態として流通してからも、電子で読んだ作品を今度は紙の本で自分の本棚に収めたい、手で取って読んでみたいって思って後から本を買うっていうことも出て来るんじゃないかな、とそんな風にも思う。

東野のスカポンタンがとんでもないこと言ってたので更に追記しました




posted by SeireiK at 21:04| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月18日

今年読んでまだ感想書いてない本、一挙まとめて

 まとめてアフィリエイトリンク貼るだけですが(笑)。あ、この順番に読んだってことではないです(大体そうですが、まぁ思い出した順)。漏れもおそらく数冊あり。マメにメモらないとダメやねぇ。


マボロシの鳥マボロシの鳥
太田 光

新潮社 2010-10-29
売り上げランキング : 35395

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 ルーク篁並に心に闇を持つ男(と思われる)、太田氏の小説。これは読まずにはいられなかった。



試験に出るパズル 千葉千波の事件日記 (講談社文庫)試験に出るパズル 千葉千波の事件日記 (講談社文庫)
高田 崇史

講談社 2004-08-10
売り上げランキング : 235136

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 あ、これ書いてたわ。感想は書いてないけど。「誰がカレーを焦がした」っていう章タイトルに釣られたんだけど、その話はイマイチ。あと、基本文系人間な私にはこういうパズルはダメ(苦笑)。


幽霊人命救助隊 (文春文庫)幽霊人命救助隊 (文春文庫)
高野 和明

文藝春秋 2007-04
売り上げランキング : 2179

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 『13階段」『グレイヴディッガー」に続きまたまた高野氏の作品。「死刑制度」「骨髄ドナー」、そして今度は「自殺」がテーマ。全人類必読三部作、という感じ。


ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)
高野 秀行

集英社 2003-10-17
売り上げランキング : 67795

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


異国トーキョー漂流記 (集英社文庫)異国トーキョー漂流記 (集英社文庫)
高野 秀行

集英社 2005-02-18
売り上げランキング : 21176

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 高田とか高野とか似たような名前の作家ばかり。ブックオフで同じ棚ばっかり見てるのがバレる(笑)。『ワセダ〜』があまりにも面白かったので『異国〜』も読んでみた。



さよならドビュッシー (宝島社文庫)さよならドビュッシー (宝島社文庫)
中山 七里

宝島社 2011-01-12
売り上げランキング : 9900

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 カルキンさんに勧められて。面白かった。古き良き大映ドラマ大好きなので(笑)。



連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫)
中山 七里

宝島社 2011-02-04
売り上げランキング : 19949

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 ドビュッシーと同じ作者。これは今年三本の指に入るMy Best 。



独白するユニバーサル横メルカトル独白するユニバーサル横メルカトル
平山 夢明

光文社 2006-08-22
売り上げランキング : 261216

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 これもカルキンさんに勧められて。グロすぎるけど、まぁ面白い。



いま、殺りにゆきますいま、殺りにゆきます
平山 夢明

情報センター出版局 2007-09-01
売り上げランキング : 244527

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 同じく平山氏。これはきっつい。実話だし。基本的にこの人のはグロいという怖さだから個人的に好きな怖さではないかな。「意味怖」みたいな方が個人的にはぐっとくる。



聖アウスラ修道院の惨劇 (講談社文庫)聖アウスラ修道院の惨劇 (講談社文庫)
二階堂 黎人

講談社 1996-11
売り上げランキング : 206947

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 『吸血の家』より先に読んだんだけど、こっちは感想書いてなかった。これもかなり面白かった。



名探偵の掟 (講談社文庫)名探偵の掟 (講談社文庫)
東野 圭吾 村上 貴史

講談社 1999-07-15
売り上げランキング : 34214

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)
東野 圭吾

講談社 1995-03-07
売り上げランキング : 39630

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



 何気に東野圭吾は人生初。以前ここでネタにした「真夏のミステリーズ」という冊子に載っていて面白そうだったので。



豆腐小僧双六道中おやすみ本朝妖怪盛衰録豆腐小僧双六道中おやすみ本朝妖怪盛衰録
京極 夏彦

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-04-01
売り上げランキング : 97911

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 前作を読まずに読んでしまってちょっぴり後悔。



新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)新版 指輪物語〈1〉旅の仲間 上1 (評論社文庫)
J.R.R. トールキン J.R.R. Tolkien

評論社 1992-07
売り上げランキング : 55883

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 そして何気にまだ未読だった指輪物語。それにしてもこれ読みにくい…。ホビットの冒険の方が好きだな。



三月は深き紅の淵を (講談社文庫)三月は深き紅の淵を (講談社文庫)
恩田 陸

講談社 2001-07-13
売り上げランキング : 14254

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 これも「真夏の〜」で見て面白そうだったので。

「う〜ん、やっぱりこれはミステリーじゃないよな…。ミステリアスな話ではあるけど、推理小説の訳語としてのミステリではない。雰囲気あっていい作品とは思うけどちょっとがっかり。」←ツイッターでのつぶやき



麦の海に沈む果実 (講談社文庫)麦の海に沈む果実 (講談社文庫)
恩田 陸 笠井 潔

講談社 2004-01-16
売り上げランキング : 6078

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 ただ、続編的なこちらはかなり楽しめた。これの元ネタになっている『三月〜』の最後の方のエピソードは結構好きだったし。



私たちはこうして「原発大国」を選んだ - 増補版「核」論 (中公新書ラクレ)私たちはこうして「原発大国」を選んだ - 増補版「核」論 (中公新書ラクレ)
武田 徹

中央公論新社 2011-05-10
売り上げランキング : 81548

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 「原発スイシン派もハンタイ派も、とりあえずこれを一読してからモノを言え、と言いたくなる良著。」←ツイッターにて



レベル7(セブン) (新潮文庫)レベル7(セブン) (新潮文庫)
宮部 みゆき

新潮社 1993-09
売り上げランキング : 10816

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 宮部みゆきも今年になってはじめて読んだ作家さん。これも面白かった。



どたん場で大逆転―ミステリー傑作選〈35〉 (講談社文庫)どたん場で大逆転―ミステリー傑作選〈35〉 (講談社文庫)
日本推理作家協会

講談社 1999-04
売り上げランキング : 804191

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 色んな作家さんによる短編集。どんでん返し系を期待して買ったら外れだった。



儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)
米澤 穂信

新潮社 2011-06-26
売り上げランキング : 2438

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 で、これ。新潮文庫の冊子で紹介されていて、「ラスト一行で云々」とあったので期待して読んでみたら、素晴らしかった。間違いなく自分の中で今年NO.1の本。ラスト一行の凄さとか怖さとかは期待した程ではなかったけど、世界観とかがメチャクチャ好み。



出雲神々の殺人 (FUTABA・NOVELS)出雲神々の殺人 (FUTABA・NOVELS)
西村 京太郎

双葉社 2004-03
売り上げランキング : 1239830

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 姉の本棚より。タイトルに惹かれて読んでみたけど、やっぱり私にはダメだ西村さんは。意味不明な部分に「、」が多すぎる文体がいちいちイライラ来る。内容もつまらん…。何故圧倒的多数のファンがいるのか理解出来ない(好きな人ごめんなさい)。



あそこの席 (幻冬舎文庫)あそこの席 (幻冬舎文庫)
山田 悠介

幻冬舎 2006-04
売り上げランキング : 35315

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 本屋さんの紹介文に釣られてみた。あと、どっかで聞いた著者だから面白いんだろうと思ったんだけど…。うん、アマゾンの評価どおりですわ。よっぽどの事が無い限り、この人の本はもう読まないな。



怪 vol.0032 (カドカワムック 377)怪 vol.0032 (カドカワムック 377)
水木 しげる

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-03-29
売り上げランキング : 265438

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 おまけのシールに釣られて(笑)購入。『怪』もはじめてちゃんと読んだな。


スメラギの国 (文春文庫)スメラギの国 (文春文庫)
朱川 湊人

文藝春秋 2010-09-03
売り上げランキング : 193356

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 タイトルに惹かれて。ギターにスメラギと名付けた私ですから、えぇ。決してガンダムに出て来たオネーチャンのことではないのよ。
 で、内容ですが。う〜ん、猫好きは決して読んではいけない、でも猫好きな方にはぜひ読んでもらいたい という話。矛盾してるけどそうとしか言いようが無い。



邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)
鯨 統一郎

東京創元社 1998-05
売り上げランキング : 33268

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 堀口さんに勧められて。ちょっとこれは…という話もあったけど、かなりの話に納得。



十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)十三番目の人格(ペルソナ)―ISOLA (角川ホラー文庫)
貴志 祐介

角川書店 1996-04
売り上げランキング : 74786

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 現在読書中。ま、年内には間違いなく読み終わるだろうと。この作家さんも有名だけど今年初めて読む。かなり期待。
posted by SeireiK at 03:15| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月10日

『吸血の家』読了

 二階堂黎人氏の「吸血の家」読了。いやー面白かった!やはり密室モノはいい!そして何より最初の事件の犯人&足跡トリックが自力で解けた!作者にしてみれば悔しいだろうと思うが、読者としてはこれは本当に カ イ カ ン ♪ (←ツイッターより転載)


吸血の家 (講談社文庫)吸血の家 (講談社文庫)
二階堂 黎人

講談社 1999-07
売り上げランキング : 227180

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
posted by SeireiK at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月18日

久々の「床屋で読んだ本シリーズ」

弐十手物語 69 (ビッグコミックス)弐十手物語 69 (ビッグコミックス)
小池 一夫 神江 里見

小学館 1994-11
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 六十九巻。相変わらず弐十手物語は面白かったです。



昭和の中坊 1 (アクションコミックス)昭和の中坊 1 (アクションコミックス)
末田 雄一郎 吉本 浩二

双葉社 2006-04-28
売り上げランキング :


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


 昭和のエロネタ。道草に落ちているエロ本拾ったら犬のフンがついていてうぎゃーーー!とか(笑)。読んだのは三巻のみ。




リズム 1 (モーニングKC)リズム 1 (モーニングKC)
山本 康人

講談社 1996-08
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



 これは面白かったー! 1〜6巻まで全部、主人公と主人公の彼女のラブラブシーンを中心に(爆)流し読みで読みました。これは全巻セット600円でブックオフとかで見つけたら買っちゃうなぁ。



posted by SeireiK at 01:21| Comment(1) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月18日

愛書家の世界

 敬愛する麻理さんの「今日の100文字」で知った愛書家の世界(ほぼ日刊イトイ新聞)。私も「本の中身じゃなく外」をも愛する人だが、これはもう世界が違う。「齢3歳にして心朽ちましたので」とか、凄すぎる(笑)。

 とてもステキだと思ったのが、「(愛書家用の本は)繋げていくべきもの」「わたしのところに回ってきたけど、今は仮に置いてあるだけ」という荒俣センセーのお言葉。死んだら火葬場で焼いてくれ、なんてことはあるまじき行為であると。これは凄くわかる。私も、特にゲームブック蔵書とウォーロックはそんな思いで保管している。いつかしかるべき誰かの手に渡したいものだと思う。

 電子書籍の「自炊」が流行りだが、少なくとも「本」そのものを愛する愛書家がいる限り紙の本は無くならない(もちろん数は減って行くだろうけど)。
posted by SeireiK at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月17日

『グレイブディッガー』読了

 おもしろかったー。これを面白いと言わない奴はどうかしている、と言いたいくらい面白かった!未読の方は今すぐ読みなさい!いや、ほんと、まじで。

 手に汗握る逃走劇、徐々に明かされる事件の全容、超絶スピードのノンストップスリラー、傑作です。「13階段」が面白かったのでまず間違いないだろうと思いましたが、個人的には「13階段」を上回る出来映えだと思います。早くも「今年読んだ本で面白かったもの」のベスト3候補です。ベスト1かも。


<追記>
 Amazonのレビューを一通り読み終えた。そこそこ批判的なレビューもあるなぁ。私なんかはラストにも謎にも何の不満もないのだけれど。

 あと、これを読むと骨髄ドナー登録をしたくなりますね。本気でちょっと考えよう。

グレイヴディッガー (講談社文庫)グレイヴディッガー (講談社文庫)
高野 和明

講談社 2005-06-15
売り上げランキング : 56983

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by SeireiK at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

15日の分

 「We Rock」を捕獲。ツイッターのフォロワーさんのコメントが載っているのはいいのだが、構成員のインタビューが全く無くてガッカリ。



We ROCK (ウィ・ロック) 2011年 03月号 [雑誌]We ROCK (ウィ・ロック) 2011年 03月号 [雑誌]

サウンド・デザイナー 2011-02-14
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by SeireiK at 00:37| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月05日

2日の分

 『試験に出るパズル』読了。感想はまた後日気が向いたら。


試験に出るパズル 千葉千波の事件日記 (講談社文庫)試験に出るパズル 千葉千波の事件日記 (講談社文庫)
高田 崇史

講談社 2004-08-10
売り上げランキング : 322845

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
posted by SeireiK at 00:50| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月15日

『前後不覚殺人事件』読了

 『13階段』とはうってかわった雰囲気の都筑道夫氏の『前後不覚殺人事件』を読了。紅子シリーズ第三弾だそうですが、この作品はとにかくなっかなか紅子さんが出て来ず、紅子シリーズを初めて読む私には登場人物の把握が結構きつかった。一応初めて読んでも大丈夫なように考慮はしてくれていると思うんですが、やはりちょっと辛い。あと、面白くなるまでが非常に長い。全六章のうち面白くなるのは六章から(爆)。それと、都築氏の作品は蘊蓄がキャラクターのセリフに織り交ぜてあるのが特徴的なんですが、これが楽しい反面結構うざかったり。解説にも書かれているように、ちょっと捕らえ所の難しいミステリでした。ただ、ラストの畳み掛けるような謎解き加減はやはりお見事。



前後不覚殺人事件 (光文社文庫)前後不覚殺人事件 (光文社文庫)
都筑 道夫

光文社 1989-09
売り上げランキング : 964424

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by SeireiK at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月12日

『13階段』読了

 も、もの凄い本だった…。

 ミステリとして単純にめっちゃくちゃ面白かった、とまず言っておいて…

 いやー重い!タイトルからして重さを感じさせるが中身はやはり重い(笑)。「死刑制度」がテーマとしてあるので頭から終わりまでとことん「死刑」について考えさせられます。私はというと一応死刑制度支持者ですが、そんな私でもこの小説に出て来るような冤罪のことを考えると死刑制度反対論者の立場に立ちたくなりますし、とにかく色々と考えさせられます。そういった意味でこれは全日本人に読ませたい、全日本人必読の書であると言えます(もちろん日本語を解するのであれば外国人にもぜひお読み頂きたい)。

 で、もう一度言いますが、ミステリとして単純にお・も・し・ろ・い!ラストは二転三転。「な、なんだってーーーー!」の連続です。凄い、とにかく凄い。読んで損無し!大満足の一冊でした。

 
 因みに乱歩賞受賞作です。その年の乱歩賞は全く意見が割れることなく満場一致でこの作品に決定したとのこと。さもありなんという感じです。
 Amazonのレビューではラスト、読後感についてやや批判的な意見が見受けられますが、私はこの重い作品のラストとしてはふさわしい、これでいいんじゃないかなあと思います。


13階段 (講談社文庫)13階段 (講談社文庫)
高野 和明

講談社 2004-08-10
売り上げランキング : 5882

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
posted by SeireiK at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月28日

26日の分

 『陰摩羅鬼の瑕』を読んでいたら『今昔続百鬼』を持っていた事を思い出して再読。いい感じにストーリー忘れてる。過去ログ見てみたらなんと今年の五月に読んだ本。いくらなんでも忘れ過ぎだぞ、ちょっとショック。
posted by SeireiK at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月26日

24日の分

 『陰摩羅鬼の瑕』を再読。ストーリー展開(犯人等)がすぐにわかってしまったということもあってあまり好きな作品ではなかったが、姑獲鳥や林羅山に関する記述(蘊蓄)をじっくり読みたくて、その辺りを中心に読むつもりで手に取ったら結構たくさん読んでしまった。やはり榎サンが出て来ると面白くてつい読み入ってしまう(笑)。
posted by SeireiK at 01:33| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月06日

4日の分

 久々に「こち亀」に読みふけるモード(と言っても105巻までしか持ってないけど)。
posted by SeireiK at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月22日

『死亡フラグが立ちました!』読了

死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)
七尾 与史

宝島社 2010-07-06
売り上げランキング : 12361

Amazonで詳しく見る
by G-Tools





 私にしては珍しく、古本ではなくバリバリの新刊。馬鹿っぽいタイトルと表紙に一目惚れで、買ったその日が発売日(巻末にある発行日と同日。昨日)。いやーおっもしろかったー。

 ライトノベル風ミステリとでも言うのでしょうか、いや、私はライトノベルってまだ読んだ事ないんですけど、多分そんな感じかなと。とにかくさくさく読める軽い文体で、キャラが立ってて、ミステリというよりはサスペンス。最初に出て来る女編集長のキャラが見事に私のツボで、のっけからぐいぐい引き込まれまくり。

 読み終えた後の感想としては、最後の方がちょっと駆け足ぎみというか、エピソードを刈り込み過ぎなんじゃないかという感じでしたが、解説を読んで納得。もともと賞に応募した時にはこの倍近くの分量(文量)があり、審査員がそろって「長過ぎる」「もっと刈り込め」と評したとのこと。確かにスピード感はあったけど、本を一日で読んでしまうことに凄く「もったいない感」を感じる私としては(苦笑)もっと長くても全然ウェルカムだったのに、ちょっと残念。

<追記>
 作者様のブログにディレクターズカット版が!

(以下エンディングに関してややネタバレ)
続きを読む
posted by SeireiK at 00:39| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月21日

14日の分

 今回の「床屋で読んだ本」は個人的には収穫少なし。「あずみ」の17巻(だったかな)と、「千里の道も」の、これまた17巻くらい?と、あと「たかされ」。

たかされ (SCオールマン)たかされ (SCオールマン)
江川 卓 本宮 ひろ志

集英社 1997-01
売り上げランキング :

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

posted by SeireiK at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月17日

13日の分

 都筑道夫の再読マイブーム到来。
posted by SeireiK at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月24日

ムーンシェイ・サーガ2再読(22日の分)

 荒俣宏先生の名訳が楽しめるRPG小説を久しぶりに再読。二巻しか持ってないけど…。「光輝(かがよい)」なんて言葉はコレで初めて知りました。

ムーンシェイ・サーガ〈2〉竪琴と一角獣 (富士見文庫―富士見ドラゴン・ノベルズ)ムーンシェイ・サーガ〈2〉竪琴と一角獣 (富士見文庫―富士見ドラゴン・ノベルズ)
ダグラス ナイルズ 荒俣 宏

富士見書房 1989-04
売り上げランキング : 729053

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
posted by SeireiK at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | BOOK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする